天皇および皇族の改葬

天皇および皇族の改葬 墓地埋葬法

 このページはちょっとしたコラムとして、「天皇および皇族の改葬」について説明しています。

 天皇や皇族の改葬、墓じまいをする方は恐らくこのウェブサイトをご覧にならないと思いますが、ちょっとしたコラムとしてお付き合いください。

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皇族の火葬について、厚生労働省の通知が出ている

一般的に火葬を行うためには、火葬許可証が必要となる

 墓地埋葬法の規定により、火葬場の管理者は、火葬許可証または改葬許可証を受理した後でなければ、火葬を行ってははならないとされています。

「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)

第14条第3項
 火葬場の管理者は、第八条の規定による火葬許可証又は改葬許可証を受理した後でなければ、火葬を行つてはならない。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000048#36

 一般の方は身近では無い規定に思われるかもしれませんが、実際にはかなり重要な規定で、「火葬を行うためには火葬許可証が必要になる。」という形で、火葬を行う場合の重要な条文となっています。

天皇および皇族の場合、火葬するのに火葬許可証は不要とされている

 これに対して、皇族が亡くなった場合に火葬するときは火葬許可証は不要である旨が厚生労働省(当時の厚生省)から通知されています(1953年(昭和28年)1月12日・衛環第2号・環境衛生課長から東京都公衆衛生部長あて回答)。

 この通知によると、皇族が亡くなった場合には墓地埋葬法第14条第3項の適用は無く、皇族であったことを確認すれば火葬して構わない旨が伝えられています。

天皇および皇族の場合、死亡届は提出されない

 天皇および皇族の身分関係に関する事項は、皇統譜令(1947年(昭和22年)5月3日政令第1号)に基づく皇統譜に記載されるものとされています。

 よって、天皇および皇族は、戸籍法の適用を受けません。

 ですから、天皇および皇族は、戸籍法による死亡届が提出されず、火葬許可証も発行されないことになります。

「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)

第5条第1項
 埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない。
第2項(略)
 前項の許可は、埋葬及び火葬に係るものにあつては死亡の届出を受理した市町村長が行なうものとする。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000048#36

 つまり、戸籍法の適用を受けない天皇および皇族は墓地埋葬法第5条第2項の死亡届が提出されないために、第5条第1項により火葬の許可もされません。

皇室典範に特例規定が定められている

 また、皇室典範(1947年(昭和22年)法律第3号)第27条は、天皇および皇族の墓について特例規定を設けています。

皇室典範(1947年(昭和22年)法律第3号)

第27条
 天皇、皇后、太皇太后及び皇太后を葬る所を陵、その他の皇族を葬る所を墓とし、陵及び墓に関する事項は、これを陵籍及び墓籍に登録する。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000003#75

 この皇室典範の規定は、明らかに墓地埋葬法の特例法になっており、天皇および皇族の墓については墓地埋葬法の適用が無いとするのが学問上も通説です。

天皇および皇族の改葬

 以上により、天皇および皇族が改葬する場合には、墓地埋葬法は適用されず、墓地埋葬法の改葬許可を受けることなく改葬ができることになりそうです。

 もっとも、現在の宮内庁の方針で、天皇および皇族の陵墓については学術的研究での立ち入りも認められない現状で、天皇および皇族の改葬が行われるとは考えづらいです。

 もし、将来、宮内庁が天皇および皇族の改葬を行う場合には、一般の改葬許可は取得しないものと想定されます。

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