埋葬、埋蔵、収蔵

 墓地埋葬法では「埋葬」「埋蔵」「収蔵」という用語が規定されています。

 最も根本となるはずの用語ですが、現実問題、それぞれの自治体、都道府県によって定義が異なってしまっています。

 このページでは専門の行政書士が、「埋葬」「埋蔵」「収蔵」という用語について厳密に考察します。

埋葬

 埋葬については、「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)で明確に定義が規定されています。

「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)

第2条第1項
 この法律で「埋葬」とは、死体(妊娠四箇月以上の死胎を含む。以下同じ。)を土中に葬ることをいう。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000048#3

 墓地埋葬法での「埋葬」とは、「死体を土中に葬ること」を言います。

 一般用語における「土葬」のことです。

 「埋葬」については法律上の定義が最も明快でずれることはありません。

埋蔵

 埋蔵については、「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)での定義は間接的なものになっています。

 埋蔵を定義する条文を確認していきましょう。

「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)

第2条第4項
 この法律で「墳墓」とは、死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設をいう。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000048#3

 焼骨、つまり火葬したご遺骨を「墳墓」という“施設”に納めることが「埋蔵」です。

 このように「埋蔵」を明確に定義した条文はありません。

 条文上明確なのは、「埋蔵」は焼骨を墳墓という施設に行うもの、ということのみです。

収蔵

 収蔵についても、「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)での定義は間接的なものになっています。

 収蔵を定義する条文を確認していきましょう。

「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)

第2条第6項(略)
 この法律で「納骨堂」とは、焼骨を収蔵するために、納骨堂として許可を受けた施設をいう。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000048#3

 焼骨、つまり火葬したご遺骨を「納骨堂」という“施設”に納めることが「収蔵」です。

 このように「収蔵」を明確に定義した条文はありません。

 条文上明確なのは、「収蔵」は焼骨を納骨堂という施設に行うもの、ということのみです。

通説的な理解

 以上を元に、通説的な理解では、「埋葬」「埋蔵」「収蔵」を以下のように整理します。

埋葬

客体

死体(ご遺体)
(「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)第2条第1項で明文で規定)

施設

墳墓
(「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)第2条第4項で明文で規定)

施設の場所

土中
(「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)第2条第1項で明文で規定)

埋蔵

客体

焼骨
(「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)第2条第4項で明文で規定)

施設

墳墓
(「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)第2条第4項で明文で規定)

施設の場所

問わない
(埋蔵の形態を定めた条文も、墳墓の場所を定めた条文も無いから。)

収蔵

客体

焼骨
(「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)第2条第6項で明文で規定)

施設

納骨堂
(「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)第2条第6項で明文で規定)

施設の場所

問わない
(収蔵の形態を定めた条文も、納骨堂の場所を定めた条文も無いから。)

埋蔵と収蔵のメルクマール

 条文に従って、「墳墓」にご遺骨を納めることを「埋蔵」、「納骨堂」にご遺骨を納めることを「収蔵」と定義します。

 つまり、ご遺骨を納める場所が、墳墓であるか納骨堂であるかが、埋蔵と収蔵のメルクマールとなると考えます。

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