埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書

埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書 墓地埋葬法

 このページでは、改葬、墓じまいの際に改葬許可申請で必要となる埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書について、専門の国家資格者である行政書士が解説します。

 3つともよく似た名前ですが、内容は全く異なる書類です。

 そして、この書類が改葬、墓じまいで必要となることから墓地管理者、特にお寺、寺院のご住職から発行を渋られ、離檀料を請求されることに使われるリスクのある書類です。

 また、地域の共同墓地などでは、どなたが書類を発行する権限があるのかよく調査しないとわからない事例もあります。

 埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を得ることは、改葬許可申請の山場の一つです。

 難しい話しも出てきますが、内容は重要です。

 できる限り丁寧に、わかりやすく、専門の国家資格者である行政書士が解説します。

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  1. 埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書の違い
    1. 埋葬証明書
    2. 埋蔵証明書
    3. 収蔵証明書
    4. 埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書の違いのまとめ
    5. 証明書の名前を間違えるとトラブルになったり、改葬許可が無効になったりすることもある
    6. 大変だと思ったら、専門の国家資格者である行政書士に代理、代行を依頼することもできます
  2. 改葬許可申請には、埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書のいずれかが必要です
  3. 埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を作成するのは墓地管理者
    1. 墓地管理者とは
    2. 墓地管理者になる方
    3. 共同墓地の墓地管理者
    4. 墓地管理者が埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を作成する
  4. 埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書の書式、内容
    1. 埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書の書式
    2. 埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書の記載内容
  5. 「埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を得難い特別の事情のある場合には、市町村長が必要と認めるこれに準ずる書面」の意味
    1. 「埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を得難い特別の事情のある場合」とは
    2. 「市町村長が必要と認めるこれに準ずる書面」の内容とは
      1. 具体的な内容は市区町村との協議、交渉によって定められる
      2. 戸籍謄本、除籍謄本
      3. 改葬、墓じまいするお墓の写真
      4. 菩提寺などの宗教者の発行する証明書
      5. 市区町村の職員の方によるお墓の現地調査、現地確認
      6. 経緯を記した書面
      7. 市区町村との協議、交渉が必要なので、行政書士に代理、代行を依頼することをお勧めします
  6. 離檀料を請求された場合の、墓地、埋葬等に関する法律施行規則第2条第2項の使用
    1. 例外規定の適用の可否は法律上の争点になっている
    2. 厚生労働省の見解
    3. 改葬、墓じまいのトラブルを防止するために
    4. 行政機関との交渉が重要になるので、行政書士に代理、代行を依頼することがお勧め

埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書の違い

 まず、埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書のそれぞれの意味のご説明をします。

 埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書と、言葉はよく似ていますが内容は全く異なります。

 これを理解するためには、墓地埋葬法での「埋葬」「埋蔵」「収蔵」の言葉の意味を正確に理解する必要があります。

 墓地埋葬法での「埋葬」「埋蔵」「収蔵」の言葉の意味について詳しくはこちらのページをご参照ください。

 詳細はリンク先のページに譲って、このページでは簡単に言葉の意味を整理します。

埋葬証明書

 墓地埋葬法での「埋葬」とは、死体を土中に葬ることを言います。

 一般用語における「土葬」のことです。

「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)

第2条第1項
 この法律で「埋葬」とは、死体(妊娠四箇月以上の死胎を含む。以下同じ。)を土中に葬ることをいう。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000048#3

 従って、「現在、ご遺体が埋葬されている、土葬されている場合」に必要となるのが「埋葬証明書」です。

埋蔵証明書

 墓地埋葬法での「埋蔵」とは、火葬したご遺骨をお墓に納めることを言います。

 お寺や霊園の墓地にある、いわゆる「○○家の墓」のような石のお墓にご遺骨を納めることです。

「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)

第2条第4項
 この法律で「墳墓」とは、死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設をいう。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000048#3

 従って、「現在、火葬されたご遺骨がお墓の中に埋蔵されている、お墓の中に火葬されたご遺骨が納められている場合」に必要となるのが「埋蔵証明書」です。

収蔵証明書

 墓地埋葬法での「収蔵」とは、火葬したご遺骨を納骨堂に入れることを言います。

 火葬したご遺骨をお墓に入れるのが「埋蔵」、火葬したご遺骨を納骨堂に入れるのが「収蔵」です。

「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)

第2条第6項
 この法律で「納骨堂」とは、他人の委託をうけて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設をいう。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000048#3

 従って、「現在、火葬されたご遺骨が納骨堂の中に収蔵されている、納骨堂の中にご遺骨が入っている場合」に必要となるのが「収蔵証明書」です。

埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書の違いのまとめ

 ここまでご説明した、埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書の違いを整理します。

  • 現在、ご遺体が土葬されている場合→ご遺骨は「埋葬」されているので、改葬、墓じまいには、「埋葬証明書」が必要。
  • 現在、火葬したご遺骨がお墓の中にある場合→ご遺骨は「埋蔵」されているので、改葬、墓じまいには、「埋蔵証明書」が必要。
  • 現在、火葬したご遺骨が納骨堂の中にある場合→ご遺骨は「収蔵」されているので、改葬、墓じまいには、「収蔵証明書」が必要。

 埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書の違いがおわかりいただけたでしょうか。

 よく似た言葉ですが、墓地埋葬法の「埋葬」「埋蔵」「収蔵」の言葉の意味を覚えるしかありません。

 逆に、墓地埋葬法の「埋葬」「埋蔵」「収蔵」の言葉の意味を覚えてしまえば、埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書の違いは考えなくてもわかります。

証明書の名前を間違えるとトラブルになったり、改葬許可が無効になったりすることもある

 名前が似ているので混乱しやすいですが、名前を間違えたら全く違う内容の証明書になってしまうので厳重な注意が必要です。

 それはそうでしょう。

 現在、実際には「ご遺骨は火葬されて、お墓の中にある」のに「ご遺体を土葬している」という証明書をもらっても意味がありませんし、トラブルになってしまいます。

 現状と、もらう証明書の内容が同じになっていることを必ず確認することが重要です。

 ここで内容が誤った証明書をもらってしまったらトラブルになったり、最悪の場合は内容が虚偽の申請であるとして、改葬許可が無効になったりすることもあります。

大変だと思ったら、専門の国家資格者である行政書士に代理、代行を依頼することもできます

 いかがでしょうか、普段、法律が身近でない方にはわかりにくい話しかもしれません。

 ちょっとくらい言葉が違っていてもいいじゃないか、法律って面倒だな、と思う方もいらっしゃるかもしれません。

 確かにそのお気持ちもわかるのですが、法律の専門職からすると「埋葬」「埋蔵」「収蔵」と言うだけで、現在のご遺骨の状態がわかるようになっている「便利な用語」でもあります。

 「面倒だ」と思ったり、「間違えてしまうかもしれない」と心配に思ったりする場合には、改葬、墓じまいの代理、代行を専門とする行政書士に依頼することもお勧めです。

改葬許可申請には、埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書のいずれかが必要です

 改葬許可申請には、埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書のいずれかが必要となります。

墓地、埋葬等に関する法律施行規則(1948年(昭和23年)厚生省令24号)

第2条第2項
 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。

第1号 墓地又は納骨堂(以下「墓地等」という。)の管理者の作成した埋葬若しくは埋蔵又は収蔵の事実を証する書面(これにより難い特別の事情のある場合にあつては、市町村長が必要と認めるこれに準ずる書面)

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100024#11

 墓地、埋葬等に関する法律施行規則第2条第2項第1号の規定により、改葬許可申請には「墓地又は納骨堂(以下「墓地等」という。)の管理者の作成した埋葬若しくは埋蔵又は収蔵の事実を証する書面」が必要とされていることがわかります。

埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を作成するのは墓地管理者

 それでは、この埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書についてさらに詳細に確認していきます。

墓地管理者とは

 埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を作成するのは「墓地又は納骨堂(以下「墓地等」という。)の管理者」であることがわかります(墓地、埋葬等に関する法律施行規則第2条第2項第1号)。

 この「墓地又は納骨堂(以下「墓地等」という。)の管理者」のことを、略称して「墓地管理者」と呼ぶことが多いです。

 このページでも「墓地管理者」と呼ぶことにします。

 墓地管理者については、まず「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)第12条を見てみましょう。

「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)

第12条
 墓地、納骨堂又は火葬場の経営者は、管理者を置き、管理者の本籍、住所及び氏名を、墓地、納骨堂又は火葬場所在地の市町村長に届け出なければならない。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000048#32

 墓地管理者とは、墓地や納骨堂の経営者に選任される、墓地や納骨堂の運営や管理の事務取扱責任者の方です。

 墓地管理者は、法律上、様々な墓地や納骨堂の運営や管理を行う職務と責任を負っています。

 墓地管理者の行う法律上の任務は、墓地埋葬法第13条から第18条まで規定されていて、かなり多岐に及びます。

 墓地や納骨堂について、極めて重要な責任を負う役職だと言えるでしょう。

 それだけ重い任務を負うこともあり、墓地管理者は、墓地や納骨堂のある市区町村長に本籍、住所、氏名を届け出られることになります。

 このように「墓地管理者」とは墓地埋葬法によって定められた法律上の重要な役職で、単に落ち葉を掃いたり、草をむしったり、木を切ったり、と言った「単なる物理的な管理」をする者ではありません。

 法律がご専門ではない方や、石屋さん、石材店さんで、たまに「墓地管理者」の意味をご存知ないで「この墓地は各自で管理しているので、管理者はいない。」とおっしゃる方もいますが、法律上の「墓地管理者」と物理的な「管理」を混同してしまっている例です。

墓地管理者になる方

 墓地管理者に選任されるのは、一般的には、お寺、寺院であればご住職、霊園であれば霊園の園長が多いでしょう。

 少し専門的になりますが、先ほど、法律を確認したように、墓地管理者を選任するのは墓地経営者です。

 墓地経営者は墓地埋葬法第10条第1項で、墓地や納骨堂を経営することを許可された者を言います。

「墓地、埋葬等に関する法律」(1948年(昭和23年)法律第48号)

第10条第1項
 墓地、納骨堂又は火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000048#26

 墓地や納骨堂を経営する許可を得るのは、一般的には地方公共団体(東京都立霊園の場合は東京都、それぞれの市町村の公営墓地ならその市町村)、宗教法人、公益法人といった法人であるのが原則です。

 墓地や納骨堂を経営するのは法人ですから、その運営や管理の事務取扱責任者として自然人である墓地管理者を選任することになります。

 会社法で例えれば「株式会社と代表取締役」のように考えられます。

共同墓地の墓地管理者

 なお、地域の共同墓地にも墓地管理者はいます。

 地域の共同墓地も「墓地」ですから「墓地管理者」を選任しなければなりません。

 地域のリーダーのような方が務めていることもありますし、年ごとに(数年ごとに)交代で務めている場合もあります。

 また「共同墓地の管理組合」を組織して、「共同墓地の管理組合」の代表者が墓地管理者になっている場合も多いです。

 墓地管理者は先ほども見たように法律上の重要な役職で、市区町村長にも氏名や本籍を届け出られる重要な役職ですから「共同墓地なので、各自で管理しています。」というようなことはありません。

 確かに、落ち葉を掃いたり、草をむしったり、木を切ったり、と言った「単なる物理的な管理」は各自で管理しているかもしれませんが、法律上の役職である墓地管理者ははっきり決まっているのが原則です。

 共同墓地の改葬の場合、その共同墓地の墓地管理者がどなたかを調べて、連絡先を調べて、アクセスする必要があります。

 ただし、法律上は地域の共同墓地も墓地管理者を選任することが義務づけられていますが、非常に古い共同墓地などで、墓地埋葬法が守られておらず、墓地管理者の選任が行われていない墓地も一部ではあるのも現実です。

 また共同墓地の墓地管理者の選任については自治体によって差が大きく、きちんと共同墓地を指導して墓地管理者の選任うながすことに力を入れている自治体もあれば、「手が回らない」と言って墓地管理者の選任の指導を全く行っていない自治体もあります。

 このように、大多数の地域の共同墓地では墓地埋葬法の規定通り墓地管理者は選任されていますが、一部の共同墓地では墓地埋葬法が守られておらず、墓地管理者の選任が無いところもあります。

墓地管理者が埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を作成する

 このように大きな権限と責任のある墓地管理者には様々な役割が墓地埋葬法で認められていますが、その権限、職務の一つが、埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を作成することです。

 墓地管理者が作成した埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を添付して、改葬許可申請ができることになります。

 共同墓地の改葬、墓じまいを行う場合には、墓地管理者の方を調べてアクセスしなければなりません。

 もちろん共同墓地の近くにお住まいならば、どなたが墓地管理者なのかをご存知の場合も多いと思いますが、「遠くに引っ越して、もう何十年もその地域とお付き合いが無い」というような場合には共同墓地の墓地管理者の方を探すのはかなりハードルの高い作業です。

埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書の書式、内容

埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書の書式

 埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書について、改葬許可申請書の一部に空欄を設けて「上記を証明します」として「墓地管理者の証明欄」を設けて、そこに署名押印すれば足りるとしている自治体もあります。

 このような「改葬許可申請書に署名捺印する」形式は否定、禁止はされていませんが、できるだけ避けるのが望ましいとされています。

 墓地埋葬法でも、墓地管理者が埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を作成する旨が規定されていますし、そもそも1枚の改葬許可申請書に複数の人が異なる内容の署名捺印する形式はあまり適切ではありません。

 さくら行政書士事務所では、「改葬許可申請書に署名捺印する」形式は採らないことをお勧めしています。

 やはり、墓地埋葬法の規定通り、独立した埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を作成することをお勧めしています。

埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書の記載内容

 埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書に記載する内容は法令では規定されていません。

 以下でご紹介するのは、墓地行政法規の研究者でもあるさくら行政書士事務所の見解です。

 なお、筆者の知る限り、埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書に記載する内容を論じた資料はありません。

 日本で唯一、さくら行政書士事務所だけが研究している分野かもしれません。

 墓地管理者は、墓地埋葬法施行規則第7条で帳簿の備付け義務を負っていますので、この帳簿に記録している事項を埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書証明書の内容として記載すべきであるとさくら行政書士事務所は考えます。

墓地、埋葬等に関する法律施行規則(1948年(昭和23年)厚生省令24号)

第7条
 墓地等の管理者は、次に掲げる事項を記載した帳簿を備えなければならない。

1号 墓地使用者等の住所及び氏名
2号 第1条第1号、第2号及び第5号に掲げる事項並びに埋葬若しくは埋蔵又は収蔵の年月日
3号 改葬の許可を受けた者の住所、氏名、死亡者との続柄及び墓地使用者等との関係並びに改葬の場所及び年月日

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100024#39

 以上で挙げられている、墓地管理者が帳簿の備付け義務を負っている項目の中で、改葬許可申請書に記載する事項について墓地管理者が証明するのが法理論的に妥当だとさくら行政書士事務所は考えます。

 逆に、墓地管理者が帳簿の備付け義務を負っていない項目については墓地管理者が証明することはできません。

 さくら行政書士事務所の提案する埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書の記載内容を整理すると、以下のようになります。

  1. 墓地使用者等の住所および氏名
  2. 死亡者の本籍、住所、氏名(死産の場合は、父母の本籍、住所、氏名)
  3. 死亡者の性別(死産の場合は、死児の性別)
  4. (死亡者の)死亡年月日(死産の場合は、分べん年月日)

 実際に、さくら行政書士事務所が改葬、墓じまいの代理、代行を受任する際にも、以上の事項について墓地管理者の方に埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書として証明していただくように運用しています。

「埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を得難い特別の事情のある場合には、市町村長が必要と認めるこれに準ずる書面」の意味

 以上で見たように、改葬許可申請をする際には、墓地管理者が作成する埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書が必要となるのが原則です。

 ですが、これには例外規定があり、「(埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を)得難い特別の事情のある場合には、市町村長が必要と認めるこれに準ずる書面」をもって代えることができるとされています。

墓地、埋葬等に関する法律施行規則(1948年(昭和23年)厚生省令24号)

第2条第2項
 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。

第1号 墓地又は納骨堂(以下「墓地等」という。)の管理者の作成した埋葬若しくは埋蔵又は収蔵の事実を証する書面(これにより難い特別の事情のある場合にあつては、市町村長が必要と認めるこれに準ずる書面)

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100024#11

 この条文の内容について検討します。

「埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を得難い特別の事情のある場合」とは

 どのような場合が「埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を得難い特別の事情のある場合」かは法令に定められていません。

 従って、個別具体の状況判断と、行政庁、市区町村との協議、交渉によって「事情」として認められるかを決めていくことになります。

 具体的な「埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を得難い特別の事情のある場合」はいろいろ想定できますが、例えば「改葬、墓じまいするのは寺院墓地、お寺の墓地だが、お寺が廃寺になってしまい、墓地経営者も墓地管理者もいなくなってしまった場合」が考えられます。

 この場合は、墓地管理者が全くいなくなってしまったという状況ですから、埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を得ることは難しいでしょう。

 また共同墓地で、墓地管理者が選任されていない場合も例として考えられます。

 これら事例では、市区町村との協議、交渉によって、埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を免除される可能性が高いと考えられます。

「市町村長が必要と認めるこれに準ずる書面」の内容とは

具体的な内容は市区町村との協議、交渉によって定められる

 どのような書面を必要とするか、どのような書面があれば埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書に準ずるとして改葬を許可するかは、それぞれの市区町村の判断、裁量によることになります。

 どのような書面で足りるとするかも定められていませんので、個別具体の状況判断と、行政庁、市区町村との協議、交渉によって定めていくことになります。

 ただ、裁量といっても行政権の行使の場面です。

 比較的広い裁量権があると考えられますが、具体的には市区町村との協議、交渉次第で幅が出ます。

戸籍謄本、除籍謄本

 さくら行政書士事務所の今までの経験では、有用な書類として求められることが多いのは、まずは故人の戸籍謄本、除籍謄本です。

 故人の戸籍謄本、除籍謄本によって、埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書に相当する多くの情報が確認できます。

改葬、墓じまいするお墓の写真

 また、さくら行政書士事務所の今までの経験では、改葬するお墓、墓じまいするお墓の写真を求められることも多いです。

 特に墓誌など、故人の名前が刻まれた情報は価値が高いとされます。

菩提寺などの宗教者の発行する証明書

 共同墓地で墓地管理者が選任されていない場合、恒常的に仏事などの宗教行事を頼んでいる宗教者がいる場合には、宗教者の証明書が大きな効力を持つ場合が多いです。

 あくまでも例ですが、例えば「30年前から毎年盆暮れにお経をあげていたり、不幸があった場合には葬儀を行ったりしていた菩提寺」がある場合には、共同墓地であっても、その菩提寺の寺院墓地と同じくらい、ご住職はお墓のことをよくご存知でしょう。

 このような菩提寺など、定例的に宗教行事を依頼している宗教者がいる場合には、宗教者の発行する証明書には大きな効力が認められます。

 厚生労働省の通知でも、菩提寺の証明が例外規定の対象となることが示されています(1972年(昭和47年)5月16日環衛第88号・環境衛生課長より埼玉県衛生部長宛て回答)。

市区町村の職員の方によるお墓の現地調査、現地確認

 さくら行政書士事務所の経験では、市区町村の職員の方によるお墓の現地調査、現地確認を求められた事案もあります。

 この場合、改葬、墓じまいの代理、代行を受任していましたので、市区町村の担当の職員の方と交渉して、日時を決めて、実際のお墓を一緒に現地調査することで改葬の許可を得ることができました。

経緯を記した書面

 また、さくら行政書士事務所の経験では「証明書が得られない理由、経緯などを記した書面」の提出を求められることも多いです。

市区町村との協議、交渉が必要なので、行政書士に代理、代行を依頼することをお勧めします

 このように、市区町村との協議、交渉によって内容が決まる場面で、どのような内容になるかはかなり幅の広い分野です。

 もちろん、ご自身で市区町村との協議、交渉をすることに問題は無い、自信がある、という方はご自身でできると思います。

 ですが、ご自身で市区町村との協議、交渉をすることが大変だ、自信が無い、という方は行政機関との交渉を専門とする国家資格者である行政書士に代理、代行を依頼することをお勧めします。

離檀料を請求された場合の、墓地、埋葬等に関する法律施行規則第2条第2項の使用

例外規定の適用の可否は法律上の争点になっている

 高額な離檀料を請求され、これを払わないと埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を出さないと言われた場合にはこの例外規定は使用できるでしょうか。

 これについて、見解は分かれますが、通説はこれを肯定して、高額な離檀料を請求されて埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を発行してもらえない場合についても「埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を得難い特別の事情のある場合」に含まれるとして例外規定を使用することができるとしています。

厚生労働省の見解

 この点について、厚生労働省も通知、通達で同様の見解を採り、例外規定の使用を肯定しています(1955年(昭和30年)2月28日衛環第22号、環境衛生課長から鳥取県衛生部長宛て回答)。

改葬、墓じまいのトラブルを防止するために

 離檀料を請求されてトラブルになるのはぜひ避けたいところですし、避けるように改葬、墓じまいを進めるべきですが、それでも高額な離檀料を請求されてしまう場合もあるでしょう。

 このように、高額な離檀料を請求され、これを払わないと埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書を出さないと言われた場合には、法律学の通説ではその事実を疎明したり、自己証明したりすることによって例外規定が使用できるとされています。

 また、厚生労働省の通知もこれを認めています。

 表現を変えれば、高額な離檀料を請求されて困っている場合にはこの例外規定の使用によって改葬許可を得ることを行政機関と交渉し、了解を得れば改葬許可が得られることになります。

 その意味では、この規定を上手に利用すれば、高額な離檀料を請求されても行政機関と交渉し、了解を得れば改葬許可が得られますので問題の一端は解決することになります。

行政機関との交渉が重要になるので、行政書士に代理、代行を依頼することがお勧め

 ただし、前述したとおり、この例外規定を適用するかについては市区町村に広い裁量が認められています。

 実際に高額な離檀料を請求されている場面で例外規定を適用してもらえるかは、事実関係の証明とあわせて行政機関との協議、交渉によります。

 これは高度な協議、交渉になりますので、行政書士に代理、代行を依頼することをお勧めします。

 確かに行政書士に代理、代行を依頼すれば費用はかかりますが、請求されている高額な離檀料に比べればずっと安い金額になると思います。

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