このページでは、無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理の手続きの流れについて、専門の国家資格者である行政書士が詳細にご説明しています。
無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理については、実際に行う作業も多く、また申請も複雑です。
このページでは、これらの申請、手続きで必要となるものや流れを丁寧に整理していきます。
ただ、次のページで改めて述べますが、このページでご説明しているのは、あくまでも「無縁墳墓からご遺骨を取り出して、他に改葬する」手続きの流れです。
これだけでは無縁墳墓改葬はできません。
詳細はまた次のページでご説明しますが、「これだけではない」ことだけ、まずはご理解ください。
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墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条
無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理については、墓地、埋葬等に関する法律施行規則(1948年(昭和23年)厚生省令第24号)第3条で定められています。
最初に、墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条をご紹介して、その後で条文の内容を解説していきます。
墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条(一部省略)
死亡者の縁故者がない墳墓又は納骨堂(以下「無縁墳墓等」という。)に埋葬し、又は埋蔵し、若しくは収蔵された死体又は焼骨の改葬の許可に係る前条第一項の申請書には、同条第二項の規定にかかわらず、同項第一号に掲げる書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 無縁墳墓等の写真及び位置図
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100024#24
二 死亡者の本籍及び氏名並びに墓地使用者等、死亡者の縁故者及び無縁墳墓等に関する権利を有する者に対し一年以内に申し出るべき旨を、官報に掲載し、かつ、無縁墳墓等の見やすい場所に設置された立札に一年間掲示して、公告し、その期間中にその申出がなかつた旨を記載した書面
三 前号に規定する官報の写し及び立札の写真
四 その他市町村長が特に必要と認める書類
法律に不慣れな方がご覧になっても、なかなか意味がわかりにくいと思います。
この墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条では、無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理で必要となる書類や資料が示されています。
以下では、できる限りわかりやすく解説していきます。
無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理で必要となる作業
無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理は、行おう、申請しようと思ってもすぐにできるわけではありません。
まず、申請に先立って作業が必要となります。
無縁墳墓改葬する旨を官報に掲載すること
墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条第2号、第3号(一部省略)
第2号 死亡者の本籍及び氏名並びに墓地使用者等、死亡者の縁故者及び無縁墳墓等に関する権利を有する者に対し一年以内に申し出るべき旨を、官報に掲載し、公告し
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100024#24
第3号 前号に規定する官報の写し
まず、無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理の流れとして、最初に行う作業は、無縁墳墓改葬する旨を官報に掲載することです。
官報とは
「官報」と聞いてもイメージがわかない方も多いかもしれません。
「官報」とは、いわば「日本」という国の「機関紙」です。
重要な発表を掲載するために「日本」という国が発行している広報です。
ちなみに、法律や政令、条約などの「公布」が行われるのは官報です。
法律や政令が制定されても「官報」に掲載されて「公布」されないと効力が発生しません(最高裁判所大法廷判決・1957年(昭和32年)12月28日(刑集11巻14号3461ページ))。
官報にはこの他に、会社の公告として、合併公告、決算公告が掲載されたり、日本に帰化して国籍を取得した方が掲載されたりします。
また、司法試験などの国家試験の実施要項が掲載されます。
官報に掲載する内容
では、話しを無縁墳墓改葬に戻します。
無縁墳墓改葬のためには、「死亡者の本籍、氏名、墓地使用者など」を「死亡者の縁故者および無縁墳墓等に関する権利を有する者」に対し、「1年以内に申し出るべき旨」を官報に掲載して公告する必要があります。
具体的には、無縁墳墓改葬しようとするお墓や納骨堂について、そのお墓や納骨堂に入っている故人の本籍や氏名、そして墓地管理者(お寺や霊園の管理者)が了解している墓地使用者の名義を示す必要があります。
その上で、「死亡者の縁故者および無縁墳墓などに関する権利を有する者」に対して、「無縁墳墓改葬を行うこととしたので、無縁墳墓改葬をされたくない場合には1年以内に申し出てください」と官報に掲載して公告する必要があります。
この内容を官報に掲載して公告してから1年間が実際に経過して、初めて実際に無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理の手続きに入れることとなります。
無縁墳墓改葬の官報に掲載する文例
無縁墳墓改葬で最初の難関が、無縁墳墓改葬の官報に掲載する文例です。
ここでは無縁墳墓改葬を行うために、官報に掲載する文章の例を挙げます。
もちろん、あくまで一例ですので、この通りである必要はありません。
無縁墳墓等改葬公告
この度、墓地(納骨堂)の無縁墳墓等について改葬することとなりました。
墓地使用者等、死亡者の縁故者及び無縁墳墓等に関する権利を有する方は、本公告掲載・掲示の翌日から1年以内に、墓地管理事務所(霊園管理事務所)までお申出ください。
なお、上記の期日までにお申出の無い場合は他に改葬することになりますのでご承知ください。
2020年5月1日
- 墳墓等の所在地 北海道旭川市…
- 墳墓等の名称 北海道旭川市○○墓地
- 墓地使用者
北海道旭川市○○ 氏名○○ - 死亡者の本籍及び氏名
北海道札幌市○○ 氏名○○
沖縄県那覇市○○ 氏名○○
秋田県秋田市○○ 氏名○○
福岡県福岡市○○ 氏名○○
愛媛県松山市○○ 氏名○○ - 改葬を行おうとする者
北海道旭川市○○墓地管理者 氏名○○
「不詳」ばかりの記載の有効性
無縁墳墓改葬の官報の公告で、「不詳」ばかりの文になっているものを見ることがあります。
このような文章の官報の公告、このような無縁墳墓改葬の官報の文例は有効なのでしょうか。
無縁墳墓改葬をしようとするお墓の墓地管理者は、墓地、埋葬等に関する法律(1948年(昭和23年)法律第48号)第15条第1項により、帳簿を備え付ける義務があります。
墓地、埋葬等に関する法律(1948年(昭和23年)法律第48号)第15条第1項
墓地、納骨堂又は火葬場の管理者は、省令の定めるところにより、図面、帳簿又は書類等を備えなければならない。
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000048#40
この法律の規定を受けて、墓地、埋葬等に関する法律施行規則(1948年(昭和23年)厚生省令第24号)第7条第1項で、墓地管理者が備えつけなければならない書類が規定されています。
墓地、埋葬等に関する法律施行規則(1948年(昭和23年)厚生省令第24号)第7条第1項
墓地等の管理者は、次に掲げる事項を記載した帳簿を備えなければならない。
一 墓地使用者等の住所及び氏名
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100024#39
二 第一条第一号、第二号及び第五号に掲げる事項並びに埋葬若しくは埋蔵又は収蔵の年月日
三 改葬の許可を受けた者の住所、氏名、死亡者との続柄及び墓地使用者等との関係並びに改葬の場所及び年月日
この規定により、墓地管理者は、墓地使用者の住所や氏名、墓地にあるご遺骨についての本籍、住所、氏名、性別、死亡年月日、埋葬、埋蔵、収蔵の年月日などを帳簿に備えつけておく必要があります。
ですから、墓地使用者の住所や氏名、墓地にあるご遺骨についての本籍、住所、氏名、性別、死亡年月日、埋葬、埋蔵、収蔵の年月日などが「不詳」となることは本来的には無いはずです。
よって、無縁墳墓改葬における官報の掲載でも「不詳」ばかりにはならないはずです。
また、「不詳」ばかりでは官報によって公告をするという法律の趣旨が果たされていませんので、このような文例では有効性に疑義が生じます。
本来は備えつけておかなければならない帳簿の管理がおろそかになってしまった、資料が散逸してしまった、という墓地管理者の方もいらっしゃるかもしれません。
そのような場合には、行政書士などの国家資格者に依頼して、戸籍などを取得して調査してもらうことをお勧めします。
行政書士などの国家資格者は受任した業務に必要な範囲で、戸籍や住民票を取得することができます。
無縁墳墓改葬の官報の掲載費用、掲載料金
お寺や霊園などの民間墓地の無縁墳墓改葬の官報の掲載費用、掲載料金は、1行につき22文字入り、3,589円(消費税込み)です。
東京都立霊園や、各市町村の公営霊園、公営墓地の無縁墳墓改葬の官報の掲載費用、掲載料金は、1行につき22文字入り、1,059円(消費税込み)です。
具体的な金額、費用は、何行掲載するかによって変わります。
無縁墳墓改葬する旨を、お墓や納骨堂の見やすい場所に立札を設置して掲載すること
墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条第2号、第3号(一部省略)
第2号 死亡者の本籍及び氏名並びに墓地使用者等、死亡者の縁故者及び無縁墳墓等に関する権利を有する者に対し一年以内に申し出るべき旨を、無縁墳墓等の見やすい場所に設置された立札に一年間掲示して、公告し
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100024#24
第3号 前号に規定する立札の写真
次に、無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理の流れとして行う作業は、無縁墳墓改葬する旨をお墓や納骨堂の見やすい場所に立札を設置して掲載することです。
これはあくまでも、無縁墳墓改葬するお墓や納骨堂の見やすい位置に設置しなければなりません。
よって、例えばお寺の社務所や、霊園の管理事務所にまとめて掲示しても有効とは認められません。
立札自体の大きさや、掲載する文字の大きさについても見やすいものとしましょう。
立札に掲載する内容
立札に掲載する内容は、先ほどの官報に掲載した内容と同一であることが一般的です。
これを、お墓や納骨堂の見やすい場所に立札を設置して掲載することが必要となります。
一年間、立札の状態を確認し続ける
立札をお墓や納骨堂の見やすい場所に設置したとしても、それで終わりではありません。
立札ですから、例えば台風のような風の強い日には飛んでしまうかもしれません。
また、夏場には樹木や草が伸びて、立札を覆ってしまうかもしれません。
そのようなことがないように、一年間、立札が見やすい場所に掲載され続けているかを確認し続ける必要があります。
立札の状態をチェックしたノートを作成して、状態を確認した日付、確認者を記録していく方法がお勧めです。
また、後でも触れますが、期間中、誰かがお墓参りに来た形跡があると、無縁墳墓改葬、無縁墓の整理が法的に違法と評価される場合があります。
そこで、そのようなことがないように、お墓参りの形跡が無いかどうか、例えばお供物やお花などが供えられていないかなどもあわせてノートに記録していくのがお勧めです。
毎回でなくても構いませんが、スマートフォンなどでお墓の状態の写真を撮影するのも簡単ですから、定期的に写真を撮影しておくのも有効です。
立札をお墓の見やすい場所に設置してから1年間、この間定期的にお墓や納骨堂の状態をチェックしたノートを1年間作成して、初めて実際に無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理の手続きに入れることとなります。
市区町村との打ち合わせ
市区町村によっては、無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理の場合に、必要な資料を定めていたり、事案に応じて資料を求めたりすることができます。
墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条第4号
その他市町村長が特に必要と認める書類
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100024#24
いわゆるバスケット条項です。
このようなバスケット条項がありますから、無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理を行う場合には事前に市区町村とよく確認を行う必要があります。
お墓や納骨堂の縁故者や、権利を有する方から申し出があった場合
以上のように、官報への掲載や、お墓や納骨堂の見やすい場所に設置する立札で、一年間、お墓や納骨堂の縁故者や、権利を有する方からの申し出を待たなければなりません。
もし、この一年間にお墓や納骨堂の縁故者や、権利を有する方からの申し出があれば、これからも引き続きお墓や納骨堂を使用していくか、それとも、改葬、墓じまいをするかを相談する必要があります。
なお、さくら行政書士事務所が今までお手伝いしてきた経験では、申し出があるお墓は意外に多いです。
10%から20%くらいは申し出があるように思います。
ここまでの作業、流れのまとめ
いかがでしょうか、以上の作業を読んだだけでも、かなり大変だ、という印象をもたれた方も多いと思います。
無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理は難易度が高いです。
以上の、官報の掲載と、立札の設置、状態確認ノートを1年間作成して、いよいよ実際の無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理の許可申請をする流れになります。
無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理で必要となる申請書
次に、実際の無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理の許可申請について確認します。
無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理も、故人のご遺骨の場所を動かすものですから、法律上は「改葬」の一形態になります。
そこで、無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理も、「改葬許可申請書」が必要となります。
一般的には「改葬許可申請書」ですが、自治体によっては「無縁墳墓改葬許可申請書」として書式を分けて用意しているところもあります。
これは自治体によりますから、自治体に確認しましょう。
墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条(抜粋)
改葬の許可に係る前条第一項の申請書
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100024#24
なお、「自治体の指定の書式を使用しなければ申請を受理しない」という扱いにするには条例の制定が必要となりますが、そのような条例を制定している自治体は、さくら行政書士事務所の経験では今のところ見たことがありません。
よって、無縁墳墓改葬許可申請の様式は自由となるのが法律論です。
ただ、自治体の指定書式が慣習上ある場合には、従っておくのが良いように思います。
さくら行政書士事務所では、自治体の指定書式にペン書きしていくのが煩雑ですので、自作の申請書を使用しています。
無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理で必要となる資料
無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理については、必要となる資料、用意する資料が極めて多いです。
一つずつ整理していきます。
埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書
墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条(抜粋)
同項第一号に掲げる書類
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100024#24
無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理も、改葬にあたることから、一般の改葬と同様に、「埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書」のどれかが必要となります。
埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書のどれが必要になるかは具体的な状況によって異なりますので、間違えないように気をつける必要があります。
埋葬証明書、埋蔵証明書、収蔵証明書と名前はよく似ていますが、法律上は全く意味の異なる書類ですから注意が必要です。
無縁墳墓等の写真
墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条第1号(一部省略)
無縁墳墓等の写真
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100024#24
改葬、整理する無縁墳墓の写真が必要となります。
改葬する無縁墳墓の様子、状況が明確にわかるように撮影しましょう。
無縁墳墓等の位置図
墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条第1号(一部省略)
無縁墳墓等の位置図
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100024#24
改葬、整理する無縁墳墓の位置図が必要となります。
これは、お寺や霊園の墓地全体のどこに、改葬、整理する無縁墳墓が存在しているのかを示す資料です。
一般的には、お寺や霊園の墓地の全体図をコピーして、改葬、整理する無縁墳墓が存在している場所をマーキングして作成します。
改葬する無縁墳墓の位置が明確にわかるように作成しましょう。
官報に掲載し、また、立札を設置して一年間公告したが、無縁墳墓改葬について申し出る人がいなかった旨を記載した書面
墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条第2号
死亡者の本籍及び氏名並びに墓地使用者等、死亡者の縁故者及び無縁墳墓等に関する権利を有する者に対し一年以内に申し出るべき旨を、官報に掲載し、かつ、無縁墳墓等の見やすい場所に設置された立札に一年間掲示して、公告し、その期間中にその申出がなかつた旨を記載した書面
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100024#24
無縁墳墓改葬する旨を、一年前に官報に掲載し、そして、お墓や納骨堂の見やすい場所に立札を設置して掲示して、1年間、お墓や納骨堂の状態を確認するノートを作成してきました。
こうして1年間が経過したけれども、期間中に無縁墳墓改葬について申し出る人がいなかったことを記載した書類が必要となります。
これは、改葬する無縁墳墓、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理についての公告に関する事実関係を明らかにする書類です。
さくら行政書士事務所がこれまでお手伝いしてきた無縁墳墓改葬、無縁墓の整理の事例では、この書類を作成するときに非常に感慨深い、とおっしゃる方が多いです。
一年間の作業を改めて思い出す時間になると思います。
官報の写し
墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条第3号(一部省略)
前号に規定する官報の写し
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100024#24
一年前に掲載した、無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理を公告した官報の写しを提出します。
提出する写しは、官報全てではなく、当該無縁墳墓改葬の部分のみで構いません。
官報については、掲載した後も無くさずに保存しておく必要があります。
立札の写真
墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条第3号(一部省略)
前号に規定する立札の写真
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100024#24
一年前にお墓や納骨堂の見やすい場所に設置した立札の写真が必要となります。
お墓の大きさによっては、お墓の全体が写っていて立札の位置がわかるものと、掲載した立札の文章が読み取れるものと、複数の写真が必要となります。
また、先ほどの無縁墳墓等の写真と兼用することも多いです。
その他市町村長が特に必要と認める書類
墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条第4号
その他市町村長が特に必要と認める書類
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100024#24
いわゆるバスケット条項です。
市区町村によっては一律に定めている場合もありますし、個別に求める場合もあります。
このようなバスケット条項がありますから、無縁墳墓改葬、無縁化した墓地の改葬、無縁墓の整理を行う場合には事前に市区町村とよく確認を行う必要があります。
配達証明付き内容証明郵便の送付
法律上の規定はありませんし、市区町村に求められるわけでもありませんが、さくら行政書士事務所では、「最後の仕上げ」に墓地使用者の方に充てて無縁墳墓改葬、無縁墓として改葬する旨を配達証明付き内容証明郵便で送付しています。
配達証明付き内容証明郵便の送付によって、確実に墓地使用者の方に無縁墳墓改葬する旨の意思を伝えたことが証明できます。
また、墓地使用者の方が所在不明になっていて、送付した内容証明郵便が返送されてくることももちろん多いです。
返送されてきた場合も「墓地管理者に登録してある住所に意思を通知したが、墓地使用者が転居を墓地管理者に届けていなかった。」ことの証明になります。
これらは法律上必須のものではありませんが、少しでもトラブルになる可能性を減らすために、さくら行政書士事務所では行っています。
そして、無縁墳墓改葬許可申請を行います
無縁墳墓改葬許可申請
以上で見てきた、無縁墳墓改葬許可申請書を作成し、あわせて必要な資料を添えて、市区町村に無縁墳墓改葬許可申請を行います。
通常、一般的な改葬許可申請よりは長い審査期間が必要となります。
市区町村によっては、職員の方が実際にお墓や納骨堂に来て、申請書や資料と齟齬が無いかを確認する場合もあります。
問題が無ければ、ついに、無縁墳墓改葬許可が下り、無縁墳墓改葬許可証が発行されます。
一年以上の時間と、多くの労力が実ったものですから、さくら行政書士事務所がお手伝いした事案でも、このときは極めて感慨深いとおっしゃる方が多いです。
また、お手伝いしてきたさくら行政書士事務所でも常に感慨深いです。
「無縁墳墓改葬許可」はゴールではありません
このように感慨深く得られた無縁墳墓改葬許可証ですが、このページの最初に述べたとおり、これは「無縁墳墓からご遺骨を取り出して、他に移す」ことの許可を得たに過ぎません。
言い換えれば、いま得られたのは「行政法上の改葬許可」に過ぎません。
「行政法上の改葬許可」に過ぎませんから、お寺や霊園などの墓地経営者と、お墓の使用者との民事上の法律関係には一切変動する効果が生じていません。
そこで、これまでの手続きで得た無縁墳墓改葬許可とは別に「お墓の使用者との民事上の法律関係を整理すること」が必要となります。
これについては、次のページでさらに詳しく説明します。
法律学上、「墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条」は一般の無縁墳墓改葬許可申請には使用できないとする見解もある
現在の法律実務、行政実務では今まで見てきたように、「墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条」を用いて無縁墳墓改葬許可申請を行っています。
ただし、民法学者、法律学者の学説では、この規定は都市計画事業や、土地区画整理事業、土地改良事業などの、公共事業による墓地移転の際の無縁墳墓の改葬にのみ適用される規定であるとする見解もあります。
この法律解釈にたてば、いわゆる一般の無縁墳墓の改葬には「墓地、埋葬等に関する法律施行規則第3条」を適用せず、民法の原則に従って改葬していくべきということになります。
この法律解釈も筋は通っていますが、現在の一般的な通説にはなっていません。
さくら行政書士事務所の、改葬、墓じまい、無縁墳墓改葬などの代理、代行のご案内
大学院レベルの「墓地行政法規」の法律知識と、圧倒的多数の代理、代行の受任実績をもつ、申請実務に精通した専門の行政書士事務所
さくら行政書士事務所の最大の特色は、「大学院レベルの法律知識」と、「通算400件以上の改葬、墓じまいなどの代理、代行を受任してきた実績」とで、「法律知識」と「申請実務」のどちらにも精通した専門の行政書士事務所であることです。
大学院レベルの「墓地行政法規」の法律知識をもつ専門の行政書士事務所
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大学院レベルの「墓地行政法規」の法律知識をもつ専門の行政書士事務所は日本全国でもほとんど無いと思います。
失礼を承知で率直に申し上げると、市区町村のお墓、墓地、改葬などを担当されている方よりも専門知識があります。
実際に、市区町村のお墓、墓地、改葬などを担当されている部署のご相談をいただき、回答や提言をすることも少なくありません。
厚生労働省の担当のキャリア官僚の方よりも専門知識があります。
家庭裁判所に改葬、墓じまいの代理人として選任された実績もございます。
また、お墓に関する法律の専門家として、論文や書籍の執筆も行っております。
もちろん、 これだけハイレベルの「墓地行政法規」の法律知識をもつ石屋さん、石材店さんは日本全国にほぼいらっしゃらないと思います。
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さくら行政書士事務所は、改葬、墓じまい、お墓の引っ越し、お墓の移転、無縁墳墓改葬、日本国外にあるご遺骨を日本国内に移す手続きなど「墓地行政法規」(墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)などの法律)が専門の行政書士事務所です。
2006年8月の開業以来、通算400件以上の申請の代理、代行を受任してきました。
今でこそ、少しずつ、改葬、墓じまい、お墓の引っ越し、お墓の移転、無縁墳墓改葬、日本国外にあるご遺骨を日本国内に移す手続きなどの代理、代行を受任する行政書士事務所も出てきましたが、さくら行政書士事務所が開業した2006年には、インターネットで日本中を探しても、改葬、墓じまい、お墓の引っ越し、お墓の移転、無縁墳墓改葬、日本国外にあるご遺骨を日本国内に移す手続きなど「墓地行政法規」(墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)などの法律)が専門の行政書士事務所は日本全国でも3つくらいでした。
これだけ圧倒的多数の改葬、墓じまい、お墓の引っ越し、お墓の移転、無縁墳墓改葬、日本国外にあるご遺骨を日本国内に移す手続きなどの代理、代行の受任実績のある専門の行政書士事務所は日本全国でもほとんど無いと思います。
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衆議院議員の特別顧問を務める行政書士事務所
さくら行政書士事務所の代表行政書士は、衆議院議員の特別顧問を務めております。
衆議院議員の特別顧問ですので、国会にも、衆議院議員会館にも自由に出入りができます。
また、衆議院議員の特別顧問ですので、必要に応じて、厚生労働省、総務省などの中央官庁のキャリア官僚と墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)や行政手続法などについての質疑をすることができます。
「質問主意書」という国会議員だけが国会法に基づいて行うことができる特別な質問を行うこともできます。
さらには埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)の改正にも関与できます。
衆議院議員の特別顧問を務める行政書士事務所は、恐らく、日本全国でもさくら行政書士事務所だけだと思います。
代理、代行の受任地域
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おかげさまで開業以来、北は北海道から南は沖縄県まで、日本全国で代理、代行のご依頼をいただいております。
行政書士以外が改葬、墓じまいを代理、代行をすることはできません
例えば石材店や、墓じまい代行会社、墓じまい代行業者などが、改葬許可申請や墓じまいに必要な申請の代理、代行をすることは行政書士法違反という犯罪になり、懲役刑を含む刑罰の対象となります。
ご依頼者さまにもご迷惑がかかる恐れがございますので、代理、代行は行政書士をご利用ください。
離檀料の交渉や、訴訟、裁判
現在のお墓が寺院墓地、お寺の墓地の場合、「高額な離檀料を請求されないか」「高額な離檀料を請求されたらどう対応したらいいか」とお悩みの方もいらっしゃると思います。
相手がいることですので「100%」と断言することはできませんが、改葬、墓じまいを法律職、国家資格者である行政書士に代理、代行を依頼することで、高額な離檀料を請求されるリスクは確実に減少できます。
また、離檀料の交渉の代行をすることは弁護士にしかできません。
離檀料の交渉や、訴訟、裁判になった場合でも弁護士と共同でサポートします。
高額な離檀料を請求されたら、というご心配が減少するのも国家資格者である行政書士に改葬、墓じまいの代理、代行を依頼する大きなメリットです。
もちろん「墓じまい代行業者」「墓じまい代行会社」ではこのようなことはできません。
代理、代行の受任費用
改葬、墓じまい、お墓の移転、お墓の引っ越しの代理、代行の委任契約費用は、無料で見積もりをお作りします。
無料でお作りしますので、費用のご負担はございません。
代理、代行の委任契約費用の見積もりは、お気軽に下記のページよりご請求ください。
また、改葬、墓じまいなどについてご不明な点も、下記のページよりお問い合わせください。
見積もりは無料で作成しますので、費用のご負担はございません。
どうぞお気軽にお声かけください。
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございます。