このページでは、「改葬は簡単か」「墓じまいは簡単か」ということについて、改葬、墓じまい、無縁墳墓改葬などを専門とする国家資格者である行政書士が解説しています。
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何も知識無く「改葬許可申請書」を穴埋めするだけなら「簡単」です
改葬、墓じまいをするためには、市区町村の「改葬許可」を得なければならないのが原則です。
そのためには、市区町村に「改葬許可申請」をして、「改葬許可」を得ることが必要となります。
改葬許可申請をするためには、法令で必要な書類が決まっています。
必要な書類や資料については別のページで詳細に説明していますのでぜひご参照ください。
さて、この改葬許可申請に際して「改葬許可申請書」を市区町村に提出しなければなりません。
この「改葬許可申請書」を誤りなく、法律上正確に作成するためにはきちんとした法律の知識が必要となります。
改葬、墓じまいについて専門的に法律を研究している専門職からすれば、「改葬許可申請書を正確に作成することは簡単ではないし、必要な作業量も多い。」と断言できます。
ですが、法律上の誤りや、法律上の正確性を気にすることなく「穴埋め」すればいいのならば、それは「改葬許可申請書を作成するのは簡単だ」ということもわかります。
ただし、繰り返しになりますが、それは「法律上の誤りや、法律上の正確性を気にすることなく」という前提での話しです。
改葬、墓じまいについての専門的な法律知識があれば、改葬許可申請書の作成は簡単ではないことは断言できます。
表現を変えれば、「改葬許可申請書を作成するのは簡単だ」とおっしゃっている方がいたら、その方は「数十年も改葬についての法律を研究していて、厚生労働省の担当部局の官僚さんや墓地埋葬法の研究者よりも豊富な知識を持っている方」か「改葬許可申請書の法律上の知識がほとんど無い方」のどちらかです。
一見、簡単に見える「改葬許可申請書」
確かに、法律の知識が無い方が見たら「改葬許可申請書を作成するのは簡単だ」とおっしゃる気持ちもわからなくはありません。
「あんなの、穴埋めで記入すればすぐにできるよ。行政書士や弁護士に依頼する必要なんて無いよ。」とおっしゃる気持ちもわかります。
確かに、簡単に見えます、「一見」は。
ただし、それは法律の専門知識が無い方の「一見」に過ぎません。
改葬や墓じまいの法律の専門家では無い方、特に「墓じまい代行業者」「墓じまい代行会社」などのビジネス業者や、石屋、石材店でこういうことをおっしゃる方もいますが、そうおっしゃる方は「改葬、墓じまいの知識が無い」と断言して構いません。
医学との共通性
改葬許可申請書とは直接関係ありませんが、医学、感染症学の第一人者である岩田健太郎先生のツイートが非常に参考になりますので少々長くなりますが引用します。
もちろん、岩田先生の話しの内容は、医学、感染症学についてのものですが、これと全く同じことは法律の世界、改葬の世界、墓じまいの世界にも当てはまります。
「一見難しく見えるものと簡単に見えるものがあります。体操選手のアクロバティックな演技は見た目難しく、実際難しい。能の舞や花道や書道は、人によっては「すり足してるだけ、花刺してるだけ、筆でごちゃごちゃ描いてるだけ」に見えるかもしれません。でも本当は極めて難しい。医学も同様で、心臓外科とか脳外科の手術はまんま難解で、実際難解です。感染症なんて「ただ検査して薬出してるだけ」に見えるので実にシンプルに見えます。基礎医学者には「あんなのMD持ってれば誰にでもできる」と豪語する人もいます(ただし微生物学者は「分かってる」のでそうは言いません)。」
というのは、まさにそのとおり妥当します。
確かに「改葬許可申請書の作成」は「一見簡単に見えるもの」かもしれません。「穴埋めしているだけ」に見えるかもしれません。
でも、本当は極めて難しいものです。
「うちでは3ヶ月程度の研修を提供してますが3ヶ月勉強したあとなにを習得したかというと「自分は感染症を全然理解してなかったことがよく分かった」と皆言います。全然勉強したことない人は「簡単だ」と言い、3ヶ月勉強するとその難しさがようやく理解できるのです。」
の部分も、まさに、改葬、墓じまいにも同じことが当てはまります。
仮に三ヶ月、改葬について、墓じまいについて、墓地埋葬法について、民法について勉強したら「自分は改葬、墓じまいを全然理解してなかったことがよく分かった」と言うでしょう。
全然、改葬や墓じまいについてきちんと勉強したことのない人は「簡単だ」と言い、三ヶ月勉強すると、その難しさがようやく理解できるのもまさに同じです。
改葬、墓じまいなど、本当の意味での「お墓の法律のプロ」になるためには、その方が憲法や民法、行政法などの法律の基礎知識がどこまであるかのスタート地点によって変わってきますが、最低2~3年は改葬、墓じまいの法律についてフルタイムで勉強する必要があるでしょう。
時間にすれば、およそ1,000時間くらいでしょうか。
それでやっと「公道で運転しても良い」レベルになれて、決してレースで戦えるレベルにはなれないことも同じです。
「それぞれに専門的な訓練が必要で、訓練を経て初めて「難しさ」が理解できます。ただし、決められたレールを走るだけの実務ならちょっと研修ですぐできるようになります。」という部分もまさに同じです。
改葬、墓じまいについて専門的に法律を学んで、初めて、やっと「改葬、墓じまいの難しさ」が理解できるようになります。
「改葬許可申請書は簡単だ」とおっしゃる方は、この専門的な法律の訓練をしていない方です。
ですが、「決められたレールを走るだけの実務ならちょっと研修ですぐできるようになります。」、改葬、墓じまいでいう「改葬許可申請書の穴埋め」をするだけの実務ならば、ちょっと、数時間もやればすぐにできるようになります。
もちろん、これは本当の意味で「できるようになった。」わけではありません。
最後に岩田先生もおっしゃるのもよくわかって「この世界に20年どっぷり浸かっててもまだまだ分からない、間違ってたことも多々あります。死ぬまで精進、研鑽の日々です。」のもまさに改葬、墓じまいでもそのとおりです。
さくら行政書士事務所は2006年の開業、この記事を書いている時点で、改葬、墓じまいを専門に研究して15年目ですが、まだまだ「新しい発見」「知らなかった知見」があります。
さくら行政書士事務所も岩田先生と同じく「死ぬまで精進、研鑽の日々」だと思っています。
墓じまい代行会社、墓じまい代行業者
以上のように、本当に改葬、墓じまいなどのお墓の法律を勉強した人は、絶対に「改葬は簡単だ」「墓じまいは簡単だ」とは言えません。
墓じまい代行業者、墓じまい代行会社も散見されます。
墓じまい代行会社、墓じまい代行業者のビジネス主義は、改葬、墓じまいはお寺、仏教界から非常に嫌われる存在でトラブルの原因にもなっていますが、それはまた別のページでご説明します。
改葬、墓じまいの代理、代行は、改葬、墓じまい、お墓についての法律、特に墓地埋葬法、民法、行政法の知識をはじめ、現在までの裁判例を非常に深く学んでいなければとてもできるものではありません。
石屋さんや石材店さんは、確かに「お墓の工事のプロフェッショナル」です。
その技術や、お墓の工事については、とても法律職が真似できるようなものではありません。
お墓を建てる作業も、墓石を解体して更地にする作業もプロフェッショナルの仕事で法律職であるさくら行政書士事務所ではいつも尊敬して拝見しています。
ですが、石屋さんや石材店さんは一般的に「お墓についての法律」のプロフェッショナルではありません。
そのような石屋や石材店、挙げ句は元々は他業種、IT業者などが「墓じまい代行」が正確にトラブルなくできることはありません。
ひどく悪質な墓じまい代行業者、墓じまい代行会社は「改葬の行政手続きの代行」という行政書士法違反の違法行為をしていますし、「離檀料の交渉を代行」という弁護士法違反の違法行為をしています。
民法の知識も無くて、例えばご遺骨の引き渡しや、離檀料についての要件事実の知識が無い方がどうやって「離檀料の交渉を代行」できるのか、さくら行政書士事務所としてはとても理解できません。
そもそも「要件事実」の言葉もご存知無かったり、説明できなかったりする墓じまい代行会社、墓じまい代行業者も多いと思われるなかで、「離檀料の交渉を代行」ができることはあり得ません。
このサイトをご覧になっている方はそのような悪質な墓じまい代行会社、墓じまい代行業者に騙されることなく、きちんと国家資格者である行政書士に依頼されることを願ってやみません。
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