離檀料の交渉の手伝い

 弁護士ではない一般の会社、例えば石材店や墓地販売会社、散骨業者などが、お寺との離檀料の交渉の代行をすることは弁護士法違反です。

 これについて、「本人の代理人として交渉の代行をするものではなく、本人が行う行為のお手伝いをするので弁護士法違反に該当しない。」という石材店があります。

 このようなロジックは妥当でしょうか。

 このページではこれについて検討します。

離檀料の交渉の代行は弁護士にしかできない

 離檀料の交渉の代行は、弁護士法第72条により、弁護士にしかできないことは明白です。

弁護士法(1949年(昭和24年)法律第205号)

第72条(略)
 弁護士でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件その他一般の法律事件に関して、代理、和解その他の法律事務を取り扱いをすることを業とすることができない。

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=324AC1000000205#763

 お寺に離檀料を請求されて支払う法律上の義務は無いと考えられますが、実際にお寺に離檀料の支払いを請求された場合に「支払う義務は無い」「金額が高すぎる」などと交渉することは、弁護士法第72条が規定する典型的な法律事件に関する法律事務に該当します。

 従って、弁護士以外の一般の会社、例えば石材店や墓地販売会社、散骨業者などが、お寺との離檀料の交渉の代行をすることは弁護士法第72条に違反することになります。

 これについて、およそ争いは存在しません。

「離檀料の交渉の手伝い」??

 この弁護士法違反に該当しないように「本人の代理人として交渉の代行をするものではなく、本人が行う行為のお手伝いをするので弁護士法違反に該当しない。」という石材店があります。

 このようなロジックは成立するのでしょうか。

 そもそも「離檀料の交渉の手伝い」とは具体的に何を行うのでしょうか?

 これについて問い合わせたところ、「お客さまと一緒にお寺を訪問することはあるが、お寺との交渉などは一切行っていない」との回答がありました。

 そのような事案があるのでしょうか。

 もう少し具体的に考えてみます。

 改葬、墓じまいに際して、お寺に離檀料の請求をされた方がいらっしゃるとします。

 この方と「一緒にお寺を訪問する」場合、この石材店の方はお寺にどのように名刺を渡して自己紹介するのでしょうか。

 一般的に考えてみれば「この方が墓じまいして改葬する先のお墓を販売した石材店の者です。」と自己紹介することになるでしょう。

 ですが、このような石材店の方が、改葬元のお寺、墓じまいされるお寺を訪問して、そのお寺のご住職はどのように思うでしょうか。

 少なくとも、良い印象をもつお寺のご住職はいないでしょう。

 どちらかといえば「うちのお寺の檀家を抜けて、他に改葬させる」マイナスイメージの印象をもつでしょう。

 このようにマイナスイメージの印象をもたれることが目に見えていてお寺に同行することがあるのでしょうか。

 万が一、あったとすれば、それはただのトラブルメイクに過ぎません。

 離檀料について解決に向かうどころか問題をこじれさせてしまうでしょう。

「お寺との交渉を手伝う」という業者にはよく内容をご確認ください

 このように「お寺との交渉を手伝う」と言ってお寺に同行されても、離檀料の問題を解決するどころか、かえって解決を困難にしてしまう石材店があることにご注意ください。

 「お寺との交渉を手伝う」という業者がいたら、「それは、具体的に何を手伝うのか?」をできる限り詳細に、具体的に確認することをお勧めします。

 改葬、墓じまいに際して離檀料の問題が解決するどころか問題をこじれさせてしまっては意味がありません。

 もちろん、「お寺との交渉を手伝う」と言いながら交渉を代行する業者は弁護士法違反を隠すだけの隠蔽行為です。

 いずれにしても、離檀料については法律の専門知識が不可欠です。

 法律が専門ではない、石材店に取り扱えるようなものではありません。

 「お寺との交渉を手伝う」という業者がいたら「本当に、その石材店の言うことは信頼できるのか」をよくご確認いただければと思います。

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