改葬、墓じまい後のご供養については現在、多くの選択肢があります。
多くの選択肢の法的特徴、メリット、デメリットなどを専門の行政書士がご紹介します。
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最も基本となるのは「新しいお墓、納骨堂に移す」
改葬、墓じまい後のご供養として最も基本となる形であり、また、実際に現在も最も数が多いのは「新しいお墓、納骨堂に移す」というものです。
現在のお墓は遠方にあって、もう何年もお墓参りに行けないので、自宅近くの霊園にお墓を建てて、現在のお墓を墓じまいして近隣の霊園に改葬したい。
今までのお寺のご住職とは良好な関係だったけれど、お寺のご住職が代替わりしてからどうも肌があわない。これを機会に現在のお墓を墓じまいして近隣のお墓に改葬したい。
自分は今までこの宗教を信仰していたけれど、帰依する宗教を変えることとした。現在、ご遺骨は従前信仰していたお墓の納骨堂にあるけれど、今後は、違う宗教のお墓に改葬したい。
皆さん、本当に色々な例がお有りですが、最も件数が多く、基本となる改葬、墓じまい後のご供養は、「新しいお墓、納骨堂に移す」というものです。
法律が規定する「改葬」の基本形
また、この「新しいお墓、納骨堂に移す」というのが、墓地埋葬法の規定する「改葬」そのものです。
墓地、埋葬等に関する法律(1948年(昭和23年)法律第48号)
第2条第3項
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000048#3
この法律で「改葬」とは、埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すことをいう。
現在は様々なご供養がありますが「基本形」はこの「新しいお墓、納骨堂に移す」であることは不変です。
墓石を移動すること、墓石の引っ越しもできる
多いパターン、ほとんどのパターンは、「従来のお墓は墓じまいし、墓石は解体撤去したうえで、改葬先、新しいお墓に新たに墓石を建てる」というものですが、墓石を移動すること、墓石の引っ越しもできます。
ただ、墓石の移動には高額な費用が必要であること、改葬先、新しい墓地で従来の墓石の引っ越し、持ち込みを認めていない場合があること、今までの墓所と新しい墓所とで大きさが違うために、墓石を移動すること、墓石の引っ越しを選ぶ方は極めて少数です。
さくら行政書士事務所では、これまで300件以上の改葬、墓じまいの代理、代行をお手伝いしてきましたが、「墓石を移動した方、墓石の引っ越しをした方」の事例は3件しか経験していません。
このうち2件は、同一都道府県内の改葬で墓石の移設費用が安く抑えられたことが大きかったように思います。
墓石の移設は遠距離になるとかなり高額な費用がかかり、「新しい墓石を建てた方が安い」という事案も少なくありません。
さくら行政書士事務所がお手伝いしたもう1件は「生前、ご自身のお墓を建てた故人が、中国やインドで石材を扱うお仕事をされていて、ご自身の墓石のために現在ではもう手に入らない貴重な石を使用した。」という事例でした。
さくら行政書士事務所はもちろん、墓地埋葬法、墓地行政法規の専門職ですが、鉱物学については全くの素人です。
ただ、そんなさくら行政書士事務所の行政書士が見ても、その墓石は、緑とも蒼とも呼べない、なんとも言えない素敵な色をしていました。
採取できる量の関係や、輸出の規制の関係があり、その石材を使用した墓石はもう作ることができないという極めて特殊なものでした。
このような特別な石材を使って作った墓石でしたから、改葬先でもどうしても使用したい、というご希望を受け、墓石を移動しての改葬を手配いたしました。
このように「墓石を移動すること、墓石の引っ越しをすること」はできますが、現実問題としては極めてレアケースです。
実際には、従来のお墓は墓じまいし、墓石は解体撤去して、新しい改葬先で新たな墓石を建てる事案が圧倒的に多数です。
アフター・コロナと改葬
改葬、墓じまいは長年増加の一途でした。
この傾向は変わらないかと思いますが、2020年の新型コロナウイルスのパンデミックと、それに伴う「働き方の変化」で改葬、墓じまいの増加は鈍化するとも思っています。
テレワークは働く場所を選びません。
今までは東京や大阪、名古屋、札幌といった大都市に引っ越して働いていた方も、生まれ育った郷里で、両親の住む実家の側で仕事をする、という方も増えるかもしれません。
こういう方が増えると「今までのお墓は遠方で不便だったから改葬する」という方も減ります。
アフター・コロナの時代は、改葬の在り方にも変化があるのではないかとさくら行政書士事務所では考えています。
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